躁うつ病(双極性障害)の基本知識
躁うつ病(双極性障害)は、躁状態とうつ状態が交互に現れる精神疾患です。
症状の特徴
- 躁状態:気分の高揚、誇大妄想、行動の過活動
- うつ状態:気分の落ち込み、自己卑下、希死念慮
今回は躁状態について説明し、うつ病・うつ相については後ほどお話しします。
躁状態について
躁の症状
気分が高揚し、何でもできるかのような万能感があって、多弁・多動になる。疲れ知らずで人によってはオーバーワークをしたり、家事をやりすぎたりする。気が大きくなるため散財することもある。躁状態は長期間続けることが難しく、いずれうつ相となる。
双極性障害Ⅰ型とⅡ型
近年、躁が目立たないタイプの躁うつ病(双極性障害)が指摘され、双極性障害Ⅱ型と分類されました。(躁が目立つタイプを双極性障害Ⅰ型と言います。) Ⅱ型は 躁状態が気付きにくいですが、患者さんの中では軽い高揚感(軽躁)が見られています。
統合失調症との類似点
昔は躁うつ病は統合失調症と違い人格変化はないとされていましたが、近年研究が進むにつれ、重症の躁状態を繰り返すと人格水準が低下し社会的機能や判断力に影響が出ることが指摘されるようになりました。
また躁うつ病の観念奔逸(次々と考えが浮かび思考がまとまらない)は統合失調症の連合弛緩と、うつ相での思考抑制は統合失調症の思考途絶に似ています。気分高揚と幻覚・妄想が混在した躁うつ病と統合失調症の中間型もあり、統合失調感情障害とも言われます。