39、私が精神科医になった理由 誇大妄想編

症状

前回の記事の続きです。ここでは誇大妄想(躁状態)について説明します。
(統合失調症の誇大妄想と 躁うつ病の躁状態は同じです)
参考記事:統合失調症と躁うつ病の類似点・違い  ”うつ” 原因はいろいろ

精神科医、妄想と化す

精神科医になるのを決めるまでは慎重でしたが、この見えない力が後押ししてくれたような展開に 私も舞い上がってしまいました。

「俺は、精神科医になる運命なんだ。」
「転生があるなら、もしかして俺はフロイトの生まれ変わりじゃない?
「これからは精神科医として活躍するぞ。こんな病院で、くすぶっている医者じゃないんだ。
と精神科医になることに高揚していました。

しばらくして、ふと
「あれ?これって “俺はキリストの生まれ変わりだ”と言ってる誇大妄想患者になんか似てるな」と感じました。

俺の考えは、現実でなく誇大妄想なのだろうか?
「今までの流れはどう考えても 精神科医になる運命なんだが・・・」
「前生がフロイトかは分からないけど、精神科やる訳だし、”キリストの生まれ変わり” と言っているのより、ずれてないと思うんだけど・・・」

誇大妄想も現実かどうかで判断するのではありません

誇大妄想も現実かどうかで判断するのではありません。

「そうだ!俺、今傲慢になっているんだ」と気付き、謙虚になろう謙虚になろうと頑張りましたが、謙虚になれず、そのまま突っ走ってしまいました。

後で振り返ると、「こんな病院で、くすぶってる医者じゃないんだ」などの誇大妄想には、被害妄想も含まれていました。「専門医の資格も 大学の後ろ盾もない 野良医だと思って、なめやがって」「軽く見られてるから、簡単に仕事を振られるんだ」といった被害妄想があり、病院を振り回していました。

そしてその続きですが、傲慢のまま精神科医になった後、精神病の本を書こうと思い、原稿をしたためましたが、それがまたひどい文章で、その後 どうなったかは具体的には言えませんが 鼻っ柱を折られる事態となりました。

医者が誇大妄想や被害妄想を持っていると、最悪です。
国のトップが誇大妄想や被害妄想を持っていると、これはもう災厄です。

動くな、危険
誇大妄想や躁状態に気付いたら、まずは「動くな」です。今まで安全に出来ていたことだけを継続し、新たな風呂敷は広げない方がいいでしょう。最低1年位は動かないつもりで、誇大妄想や躁状態が落ち着くのを待った方がいいです。そのまま突っ走ると、自分、もしくは周囲の人、もしくは両方が、後で”うつ”になります。 

戒めの一句

実るほど 頭を垂れる 稲穂かな (みのるほど こうべをたれる いなほかな)
意訳:おまえ、全然実ってねじゃん!

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