43、お仕事のすすめ、結婚のすすめ

治療

お仕事のすすめ

仕事はきつく感じることもありますが、メリットもたくさんあります。お金を稼げるということはもちろんですが、仕事自体が作業療法やSST(生活技能訓練)になります。また仕事で何かトラブルがあれば、それは精神分析、認知行動療法の機会にもなります。引っ込み思案でも 自然に人と関われて、大なり小なり人のためになっていて、仕事をやることは一石何鳥にもなります。

さらにできれば、仕事はお金のためと思う以上に 人のためと思って働くと なお良いです。お金のためと思って働くのと 人のためにと思って働くのとでは、同じ労力でも精神に与える影響は雲泥の差です。もちろんお金は受け取ってください。

人のためと思って働くと、どんどん仕事が増えてしまうんじゃないかと思いますか? 人のために仕事するのは自分の気持ちの問題なので 周囲に口外する必要はありません。もし 会社から過大な要求があったり、お客さんからの理不尽なクレームがあったりしたら、キッパリと断ってください。

「えっ?!会社やお客さんからの要求はなかなか断れない?」
たぶんそれは、お金のために働いているという気持ちが強いからじゃないでしょうか。お金のことが気にならなくなる位の ボランティア精神でやれば、軽く断れる気がしませんか? 

働くのがお金のためではなく、人のためというのであれば、家族のサポートをする、親の介護をする、育児をするのもお仕事です。町内会活動をする、PTAに参加するのもお仕事です。自分にできるお仕事をやってみましょう。そのほか、人のためだけでなく、植物を育てる、動物の世話をするも十分お仕事と言えるんじゃないでしょうか。

追記:人のためにと使命感を持って頑張っている方をたまに見かけます。素晴らしいことですが、自己犠牲感が出た時は、相手の要求を断って下さい。そんな時は、人のために頑張らないといけないみたいな、強迫観念(強迫神経症)になっています。

結婚のすすめ

これは余計なお世話だと言われそうで面と向かっては言えませんが、心の声を書いちゃいます。

結婚は縁ですし相手がいるものですから、必ずしもできるとは限りませんが、いい結婚ができたら、パートナーの存在は不安定な精神を落ち着かせてくれる錨のようなものとなり、視野が広がり心を自由にさせてくれます。独り身の方は、ぜひ結婚をしてほしい。

相手に求める条件

結婚で相手に求める条件は、ただ一つ、愛する力が強い人、これ一択です。容姿が・・とか、年収が・・とか、その他・・などの 余計な条件は全部取っ払え! です。たまたま良かったら喜んでもいいですが、美人だろうが不美人だろうが、年収が高かろうが低かろうがどちらでもいい問題です。結婚をして 人を愛するということを学ばせていただくのですから。

愛をよく分かっていない人が、強く愛せる人はどういう人かを見極めるのは難しいと思いますが、愛のイメージをしっかり持つことが大事です。よく男性が女性を口説くシーンで「愛してるよ」というセリフがありますが、あれは無償の愛とは全くの別物です。依存「あなたがいないと私ダメなの」や自己犠牲感「君のためにこんなに頑張ったんだよ」も 愛と混同しやすいので勘違いしないようにしてください。相手の雰囲気、言葉、行動をよく見て聞いて、その背景にある心を感じ取って、見習いたいと思えるような精神性の人を 選んでください。

無償の愛とは
愛を説明するのに、無償の愛という表現がよく使われます。見返りを求めずに相手のために尽くす 気持ち や行為をいいますが、この説明は非常に分かりにくいです。

もっと分かりやすく言うと、"本当に優しい人は自分が優しくしていることに気付いていない” ということです。だから、見返りを求めないし、やってあげてるといった自己犠牲感もないのです。強い妄想に病識がないように、強い愛にも病識(自覚)がないのです。

(参考記事:精神科医 愛を語る➀無償の愛とは)

相手に選ばられるための準備

愛する力が強い人が、愛する力が弱い人・妄想の多い人を選ぶでしょうか?  愛する力が強い人は、自分自身が人を愛せているとは思っていませんが、人を見る力はあります。優しい目で見てくれていますが、選ばれるのは厳しいです。

そのため何もしないで待っているだけでは選ばれませんので、自分も内面を磨く必要があります。内面を磨くとは、自分も人を愛せる人間になるということです。下記の記事を参考にして下さい。
(参考記事:精神科医 愛を語る②認知行動療法

この人いいなと思っても選ばれないことはあると思います。相手の選択を尊重し、相手の幸せを考えて諦めるというのも、人を愛するということです。本当は結婚したいんだけど、もしかしたら自分は結婚できないかもしれないなと、一抹の寂しさを感じながら、少しずつ自分のできる愛を日常生活の中で実践するだけです。寂しさに慣れるのも、相手に依存しないための訓練です。たとえ結婚できなくても、人を愛せるようになれば、それだけでも十分おつりが来ます。

奇跡的にいい人に巡り合えたら、配偶者は 妄想に気付かせてくれて、そして愛を教えてくれる師匠ですから、意見の相違があったら、相手の方が正しいと信じて行動しましょう。

もし相手から、何で自分を選んだのかを聞かれたら、上記の事を言うと打算的に聞こえるし、下手すると「私そんなに人を愛する力ありません」とお断りされてしまうので、言っちゃダメです。そのほかの いい所を褒めてあげてください。

余計なお世話になってしまい、失礼しました。

コメント