妄想の治り方|被害妄想・誇大妄想が薄れていく6つのステップ

階段を一歩ずつ着実に登っている青年の水彩画風イラスト。青年は青いシャツとジーンズを着ており、落ち着いた背景の中で前向きな表情をしている。 治療

妄想の治り方とは?

妄想は「消える」のではなく「変化」する

妄想は人間関係性でもありますから、消えてなくなるのではありません。妄想の人間関係性が別の穏やかな人間関係性に置き換わっていく感じになります。

妄想回復の6つのステップ

次は妄想の治り方のザックリとしたイメージですが、おおまかなイメージなので、重複することもあります。

  • ①病識のない妄想から病識のある妄想へ
    人と接していくうちに、もしかしたら嘲笑されてないかもと気づきます。しかし実際は笑われているように感じます。
  • ②病識のある妄想が薄くなる
    嘲笑されていないのが分かるようになりますが、嘲笑されるんじゃないかと不安は続きます。信頼できる人とは普通に付き合えるようになっていきます。
  • ③他人との関係に敏感に反応する段階
    多くの人と普通に付き合えるようになったきますが、嘲笑される・バカにされる。見下されることには過剰に反応し、落ち込んだり怒ったりしてしまいます。また嫉妬のような形をとることもあります。
  • ④周囲の現実的理解と交渉が始まる段階
    徐々に周囲も見えるようになってきて、妄想は自分だけではないと気が付いてきます。周囲に対しても交渉力が増し、説得力のある不平・不満が言えるようになってきます。もしかしたら周囲と言い争うことが多い時期かもしれません。
  • ⑤社会復帰とともに残る「再発の危機」
    普通に生活・仕事ができるようなってきます。妄想は普段は潜んでいますが、何らかのキッカケで誘発され、妄想に振り回されます。ある程度社会的に認められるようになると、自分の妄想で周囲を傷つけてしまいます。
  • ⑥聖人・君子レベルの到達
    たとえ非難されたとしても、相手の事情・心情を理解した上で、あえて自分が泥をかぶる事ができるようになります。ここまでできればもう言うことはありません。脱帽です。(聖人・君子レベル)だけどここまで出来る方は、相手からの妄想を回避できると思います。

治り方のイメージとしては徐々に妄想が薄くなっていきますが、誇大妄想まで含めると完全にゼロにするのはなかなか難しいと思います。

妄想に陥る時はアッという間ですが、治るのには長い時間かかります。

その他の症状の回復について

症状は連動している:妄想・不安・うつ・無気力

妄想があれば、緊張もするし不安も出る。気分も沈み、やる気も出なくなる。症状はお互い関連しあっていて、どれか一つだけが先に治ると言うわけではありません。徐々に全体の症状が薄くなっていく感じになります。

人間関係性についてはこちらの記事を参照ください。
どのように妄想に陥ってしまうのか?