思考を助けてもらう
思考障害の時、思考を助けてもらえれば、判断がしやすくなります。
悩んだ時、他人に聞いてみるのはよくある方法です。
S君は寮に入りましたので、その点は恵まれました。
前回の記事(思考障害と対話型思考) の中でS君が風呂に行くかどうかで葛藤していましたが、こんな時、寮の友達から「S君、一緒に風呂行こう」と誘われれば、「それじゃ、行くか」という感じで判断・思考の手助けになります。
同様にロードオブザリングのゴラムも主人公のフロドから「お前は友達だよ。」と言われれば、判断・思考において大いに助けとなるでしょう。
思考障害が強い時は、一人暮らしをせず、家族と生活する、グループホームや援護寮を利用するのがよいでしょう。
思考の種をもらう
自分で何を考えていいか分からない状態から思考するのは、かなり難しいものがあります。そんな時は他人から思考の種を教えてもらうのも一つの方法です。実際は他人の話を聞いてこういう風に考えるのかと知る所から始まります。その考えに対して賛成・反対といった対話型思考で思考を拡張させていくのです。
たとえば、友達から「夜中麻雀するのは止めるべきだ」という考え方をもらいます。(私は寮に住んでいましたので、麻雀の音はよく聞こえてました。) それに対し
自分A「学生なんだから少しくらいハメを外してもいいだろう」と反論します。
自分B:「明日学校があるから、迷惑じゃないか?」
自分A:「これくらいの音だったら眠れるだろう!」
こんな感じで、多様な考え方を増やし、自分の思考を拡張していきます。
こういうのは思考の練習なので結論が出なくてもいいのです。いろんな場面に遭遇した時、自分の考えが出せるように、思考の引き出しを増やしておくのです。
思考の限界
思考の引き出しをたくさん持つということは、練習によって可能ですが、ただこの段階での思考には限界があります。それは自分軸でしか思考できないということです。「私はこう考える。」「私はこう考えない。」「私はこうしたい。」「私はこうしたくない。」という風に、私が主語じゃないと思考ができないのです。
「彼がこう考えている。」「みんながこう思っている。」という他人を主語にしての思考はできませんでした。だから、「彼のことを考えて私はこうする」という複雑な考え方はできません。他人について話す人、全体(学校や国や社会など)について話をする人の会話も、理解は難しいかったです。また「あなたのことを考えて言っているんだよ」とか言われてもピンとこないだけでなく、むしろこの言葉は偽善としか理解できませんでした。この壁を越えるには人間関係性が鍵になると思われます。
人間関係性については下記を参照ください。
妄想について
どのように妄想に陥ってしまうのか?
追記: 対話型思考による思考拡張は、あまりやりすぎない方がいいかもしれません。このやり方は他人の考えに、反対の立場で思考をしていくので、いつも批判的に考える癖がついてしまう可能性があります。よくなっていけば、自然と思考も取り戻していきます。
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